▼ワークショップ紹介パンフレット1
(PDF: 416.04KB)
▼ワークショップ紹介パンフレット2
(PDF: 1618.57KB)
2016年10月02日
レクチャー&プログラム研究(吉野さつき氏)1日・2日目
更に深めてまいります。
ファシリテーター養成講座。
愛知大学より吉野さつきさんをお呼びし、
ワークショップのプログラムや、
アートと現場を結ぶコーディネーターについてお伺いします。
まずは、参加者がなぜこの講座に参加したのかなどをお聞き頂き、
みなさんの悩みに沿った講座を展開して頂きました。
話を聞いて頂いた上で、
様々な事例を映像で見せて頂いたのですが…、
ごめんなさい。動画をアップすることが出来ません。
次回お越し頂く柏木さんが行った「老人ホーム」でのワークショップや、
音楽家 野村誠さんによるワークショップなどを見せて頂きました。
二日目の目玉は、吉野さん企画「ぐるぐるプレゼン」!
1)自分の住む町のメリット・デメリット
2)デメリットを改善するにはどのアート(アーティスト)を組み合わせたらよいか
それぞれ考え、吉野さんに御持ち頂いたシートに書込みます。
真剣に書いています。
そして、そのシートを…
ぐるぐるイス取りゲームのごとく、隣りの人へ渡り、
別の方がプレゼンするんです!
そうすることで、自分が考えた企画を俯瞰で見ることが出来、
矛盾や足りない部分を発見出来ます。
次回は柏木陽さんをお呼びし、
ファシリテーター能力の向上を目指します!
ファシリテーター養成講座。
愛知大学より吉野さつきさんをお呼びし、
ワークショップのプログラムや、
アートと現場を結ぶコーディネーターについてお伺いします。
まずは、参加者がなぜこの講座に参加したのかなどをお聞き頂き、
みなさんの悩みに沿った講座を展開して頂きました。
話を聞いて頂いた上で、
様々な事例を映像で見せて頂いたのですが…、
ごめんなさい。動画をアップすることが出来ません。
次回お越し頂く柏木さんが行った「老人ホーム」でのワークショップや、
音楽家 野村誠さんによるワークショップなどを見せて頂きました。
二日目の目玉は、吉野さん企画「ぐるぐるプレゼン」!
1)自分の住む町のメリット・デメリット
2)デメリットを改善するにはどのアート(アーティスト)を組み合わせたらよいか
それぞれ考え、吉野さんに御持ち頂いたシートに書込みます。
真剣に書いています。
そして、そのシートを…
ぐるぐるイス取りゲームのごとく、隣りの人へ渡り、
別の方がプレゼンするんです!
そうすることで、自分が考えた企画を俯瞰で見ることが出来、
矛盾や足りない部分を発見出来ます。
次回は柏木陽さんをお呼びし、
ファシリテーター能力の向上を目指します!
2016年09月26日
レクチャー&体験講座(高尾隆氏)2日目
初日はたくさんゲームをして頂きました。
みんな盛り上がり、すぐにゲームに入れたのは、
やっぱり高尾さんがスムーズに進行してくださり、
盛り上がるようにコメントされているからです。
力を入れて押すよりも、力を抜いてぐんぐん押すことの方が威力を増すんだそうです。
これが不思議と、顔を真っ赤にして押すよりも、
軽ーく押している方が、押されている側がバラバラと崩れて行きます。
これもみんな驚くから盛り上がりますよね。
高尾さんは、進行の仕方がスムーズで、
このゲームのようにずっと力を抜いているような印象。
自然体だから、みんなも安心して参加出来る様な気がします。
そして、今回はシアタースポーツを行いました!
※シアタースポーツ
観客からの「お題」をもとに、チームごとに即興でドラマを創り、
競い合い勝者を決めるイベント。
出演者、照明、音響、映像といったスタッフもすべて即興。
演劇関係者もそうでない方も、一緒になって競い合います。
演劇をやっているから「有利」とは言えないところが、
「インプロ」の面白さかもしれません。
今回はたくさんの「インプロ」ゲームを学び、体験しました。
次回は吉野さつきさんをお呼びし、コーディネーターやワークショップを計画することについて、
お話を伺います。
みんな盛り上がり、すぐにゲームに入れたのは、
やっぱり高尾さんがスムーズに進行してくださり、
盛り上がるようにコメントされているからです。
力を入れて押すよりも、力を抜いてぐんぐん押すことの方が威力を増すんだそうです。
これが不思議と、顔を真っ赤にして押すよりも、
軽ーく押している方が、押されている側がバラバラと崩れて行きます。
これもみんな驚くから盛り上がりますよね。
高尾さんは、進行の仕方がスムーズで、
このゲームのようにずっと力を抜いているような印象。
自然体だから、みんなも安心して参加出来る様な気がします。
そして、今回はシアタースポーツを行いました!
※シアタースポーツ
観客からの「お題」をもとに、チームごとに即興でドラマを創り、
競い合い勝者を決めるイベント。
出演者、照明、音響、映像といったスタッフもすべて即興。
演劇関係者もそうでない方も、一緒になって競い合います。
演劇をやっているから「有利」とは言えないところが、
「インプロ」の面白さかもしれません。
今回はたくさんの「インプロ」ゲームを学び、体験しました。
次回は吉野さつきさんをお呼びし、コーディネーターやワークショップを計画することについて、
お話を伺います。
2016年09月25日
レクチャー&体験講座(高尾隆氏)
さて、ファシリテーター養成講座。
東京学芸大学より高尾隆さんをお呼びして
『インプロ』ワークショップ講座を二日間行って頂きました。
インプロってなんぞや?
Improvisation(インプロヴィゼーション)の略。
日本語では「即興」という意味です。
インプロはもともと俳優のトレーニングとして開発されたものですが、
現在ではエンターテイメントとして公演されるシアタースポーツや、
学校教育・ビジネスなどの分野でも、人材教育ツールとして注目を集めています。
※シアタースポーツ
観客からの「お題」をもとに、チームごとに即興でドラマを創り、競い合い勝者を決めるイベント。
出演者、照明、音響、映像といったスタッフもすべて即興。
それでは早速体験します!
二人一組になって物語創作。
相手に「何をしますか?」と質問することで、
物語が発展する簡単な創作ゲーム。
みんな夢中です。
更に、ライブで演出が指揮していくインプロ。
ここでは、高尾さんがストーリーのきっかけを与え、
演者はそのきっかけに沿って、即興で演じていきます。
ゲームの特性などを説明頂きながら進行します。
更に、3名一組で行うゲーム「私は木です」を体験。
一人が「木」になり、もう一名がその「木」に関連する「何か」を演じます。
例えば… 「私は木です」→「私は木に登る猿です」→「その猿に食べられそうになるリンゴです」
など、どんどん発展していきます。
どれも盛り上がり、「インプロ」のゲームを行うごとに、
みんなが仲良くなっている印象です。
笑いが止まらなくなっていたり、
先程の物語について反芻しあったり。
これは、導入部分のアイスブレイクなどで盛り上がりそうです。
二日目はシアタースポーツを体験してみます。
東京学芸大学より高尾隆さんをお呼びして
『インプロ』ワークショップ講座を二日間行って頂きました。
インプロってなんぞや?
Improvisation(インプロヴィゼーション)の略。
日本語では「即興」という意味です。
インプロはもともと俳優のトレーニングとして開発されたものですが、
現在ではエンターテイメントとして公演されるシアタースポーツや、
学校教育・ビジネスなどの分野でも、人材教育ツールとして注目を集めています。
※シアタースポーツ
観客からの「お題」をもとに、チームごとに即興でドラマを創り、競い合い勝者を決めるイベント。
出演者、照明、音響、映像といったスタッフもすべて即興。
それでは早速体験します!
二人一組になって物語創作。
相手に「何をしますか?」と質問することで、
物語が発展する簡単な創作ゲーム。
みんな夢中です。
更に、ライブで演出が指揮していくインプロ。
ここでは、高尾さんがストーリーのきっかけを与え、
演者はそのきっかけに沿って、即興で演じていきます。
ゲームの特性などを説明頂きながら進行します。
更に、3名一組で行うゲーム「私は木です」を体験。
一人が「木」になり、もう一名がその「木」に関連する「何か」を演じます。
例えば… 「私は木です」→「私は木に登る猿です」→「その猿に食べられそうになるリンゴです」
など、どんどん発展していきます。
どれも盛り上がり、「インプロ」のゲームを行うごとに、
みんなが仲良くなっている印象です。
笑いが止まらなくなっていたり、
先程の物語について反芻しあったり。
これは、導入部分のアイスブレイクなどで盛り上がりそうです。
二日目はシアタースポーツを体験してみます。
2016年09月21日
基礎講座3日目
基礎講座3日目。
いよいよメインプログラムをファシリテーターとして、
進行して頂きます。
それぞれグループに分かれて頂き、
2日目同様、ファシリテーター役と児童役を交互に行います。
そして今回は「多動的な児童」「場面緘黙を持つ児童」など具体的な配役をし、
ファシリテーターチームにその情報をお渡しします。
情報を元に、作戦会議を行います。
おや、皆さん、真剣そのもの…
輪を小さくして、打ち合わせしていますね。
この時間がとても大事なんです。
なにより、学校で行った場合、授業時間に制約があります。
メイン講師は、人員配置を行い、
サブ講師から意見をもらいながら、進行方法をまとめなくてはなりません。
メイン講師は全体を把握し、
サブ講師が児童の目線に立って、
みんなのアイディアを拾って広げる。
児童が楽しいな、と思ってくれたら、
それは成功です。
難しいながらも、みなさんファシリテーター役を体験して頂きました。
まずは基礎講座これにて終了。
今後、各分野の講師をお呼びし講座を進めてまいりますが、
講座を終えましたら、実際に学校現場に参加して頂く予定です。
みなさん、お疲れ様でした。
そして、引き続き宜しくお願いします!
いよいよメインプログラムをファシリテーターとして、
進行して頂きます。
それぞれグループに分かれて頂き、
2日目同様、ファシリテーター役と児童役を交互に行います。
そして今回は「多動的な児童」「場面緘黙を持つ児童」など具体的な配役をし、
ファシリテーターチームにその情報をお渡しします。
情報を元に、作戦会議を行います。
おや、皆さん、真剣そのもの…
輪を小さくして、打ち合わせしていますね。
この時間がとても大事なんです。
なにより、学校で行った場合、授業時間に制約があります。
メイン講師は、人員配置を行い、
サブ講師から意見をもらいながら、進行方法をまとめなくてはなりません。
メイン講師は全体を把握し、
サブ講師が児童の目線に立って、
みんなのアイディアを拾って広げる。
児童が楽しいな、と思ってくれたら、
それは成功です。
難しいながらも、みなさんファシリテーター役を体験して頂きました。
まずは基礎講座これにて終了。
今後、各分野の講師をお呼びし講座を進めてまいりますが、
講座を終えましたら、実際に学校現場に参加して頂く予定です。
みなさん、お疲れ様でした。
そして、引き続き宜しくお願いします!
2016年09月20日
基礎講座2日目
基礎講座レポート 2日目
初日の体験では、実際にメインプログラムの
ジェスチャーゲームまで体験頂きました。
みんな子どものように楽しんでますね。
さて、初日楽しくゲームに参加出来たということは、
プログラムの良さもありますが、
ファシリテーターの進行や声の掛け方のお陰でもあります。
2日回目から、「ファシリテーター」として体験して頂きます。
3グループに分かれ
27年度から受講している3名がメイン講師となり、
自己紹介から、アイスブレイクまでをやって頂きます。
A・B・Cグループに分かれた場合、
Aがファシリテーターをする場合は、B・Cが児童役
Bがファシリテーターをする場合は、A・Cが児童役になります。
そして、それぞれの児童役には
「男子が元気すぎて、話を聞かない」
「6年生、若干おとなし目」
などのクラスの全体の雰囲気を伝えており、
ファシリテーターチームも、その情報を知った上で、
プログラムを進行しなくてはなりません。
打ち合わせは大事です。
様々なケースを想定して話し合われます。
また、メイン講師は人員配置も考えなくてはなりません。
作戦会議を念入りに行い実際やってみますが…
メイン講師は全体を見なくてはならないので、
一人の児童が気になっても、付きっきりになっては進行がうまく行きません。
そこで、サブ講師を促さなくてはなりませんが、
サブ講師との連携が難しいんです…。
けいちゃんこと、与那嶺圭一から講評を受けます。
どこが良くて、どこが良くなかったのか。
また、どのようにしたら良かったのかをアドバイスします。
その都度、みんなでフィードバックします。
今回初めて経験した方はもちろん、
二年目の参加者は、更にレベルの高い壁を見つけたようです。
しかし、これは演習なので失敗してもいいんです!
たくさん失敗を重ねて、学んだ上で現場に出よう!
3日目はいよいよ、
メインプログラムを進行してもらいます。
初日の体験では、実際にメインプログラムの
ジェスチャーゲームまで体験頂きました。
みんな子どものように楽しんでますね。
さて、初日楽しくゲームに参加出来たということは、
プログラムの良さもありますが、
ファシリテーターの進行や声の掛け方のお陰でもあります。
2日回目から、「ファシリテーター」として体験して頂きます。
3グループに分かれ
27年度から受講している3名がメイン講師となり、
自己紹介から、アイスブレイクまでをやって頂きます。
A・B・Cグループに分かれた場合、
Aがファシリテーターをする場合は、B・Cが児童役
Bがファシリテーターをする場合は、A・Cが児童役になります。
そして、それぞれの児童役には
「男子が元気すぎて、話を聞かない」
「6年生、若干おとなし目」
などのクラスの全体の雰囲気を伝えており、
ファシリテーターチームも、その情報を知った上で、
プログラムを進行しなくてはなりません。
打ち合わせは大事です。
様々なケースを想定して話し合われます。
また、メイン講師は人員配置も考えなくてはなりません。
作戦会議を念入りに行い実際やってみますが…
メイン講師は全体を見なくてはならないので、
一人の児童が気になっても、付きっきりになっては進行がうまく行きません。
そこで、サブ講師を促さなくてはなりませんが、
サブ講師との連携が難しいんです…。
けいちゃんこと、与那嶺圭一から講評を受けます。
どこが良くて、どこが良くなかったのか。
また、どのようにしたら良かったのかをアドバイスします。
その都度、みんなでフィードバックします。
今回初めて経験した方はもちろん、
二年目の参加者は、更にレベルの高い壁を見つけたようです。
しかし、これは演習なので失敗してもいいんです!
たくさん失敗を重ねて、学んだ上で現場に出よう!
3日目はいよいよ、
メインプログラムを進行してもらいます。
2016年09月19日
基礎講座1日目
いよいよ始まりました。
「演劇を活用したワークショップファシリテーター養成講座」
昨年度の復習も兼ねて、
また、新しく参加される方々に「演劇ワークショプにおけるファシリテーション」を
知って頂くべく、基礎講座を三日間行いました。
【1日目】
講師:島袋寛之・与那嶺圭一・ナツコ(TSJ)
まずは、演劇ワークショップと、
演劇ワークショップにおけるファシリテーターについて説明します。
ファシリテーターとはグループ活動の中で中立な立場になって、
活動がスムーズに進行するようにサポートする専門家の事。
主に教育の現場や福祉の現場などで活用できるスキルです。
このスキルは見よう見まねでは出来ませんし、
前例を知らなくては身につきません。
なのでまずは体験してみましょう!!
今回は、小学校で行われているワークショップを体験して頂きました。
ワークショップの大事な導入部分、
アイスブレイク。
アイスブレイクとは集まった人たちの緊張をときほぐすための手法です。
和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作り、
そこに集まった目的 の達成に積極的に関わってもらえるよう
働きかける技術を指します。
今回は多めに4つやってみました↓
○じゃんけんゲーム
○仲間わけゲーム
○あやつりゲーム
○積算ゲーム
みんな盛り上がってますね~♪
初めて会う方々も一気に距離が縮まります。
更に【主活動】と呼ばれるメインプログラムへ移ります。
○ジェスチャーゲーム
喋らずに、ジェスチャーだけでテーマに沿って表現するゲームです。
身体表現でどれだけ、人に伝えられるでしょうか?
ファシリテーターが中心になり、
どんなテーマで表現するか、みんなで話し合い。
意見やアイディアが出やすい雰囲気づくりを目指します。
○発表と講評
講評ではどのように見えたのか、多面的・客観的に
良いところ、面白かったところをファシリテーターが、
各々の視点で伝えます。
○振り返り
なぜうまくいったか、出来なかったかをみんなで話し合います。
私達は学校現場を主に、演劇ワークショップを実施しています。
「表現力の向上」や「豊かな創造力・想像力」の育成だけでなく、
「思考力・コミュニケーション能力」などを養うことも
目的として行われるのですが、
関係性を深めたり、コミュニケーションについて考えるには、
この振り返りが重要なんです。
そこでもファシリテーターは意見を出しやすいように促します。
さらには、今回のプログラムの進行や、
ファシリテーターの働きかけ方などについて、
各グループになって話し合ってもらいました。
次回は二日目にしてファシリテーター役をやってもらいます!
「演劇を活用したワークショップファシリテーター養成講座」
昨年度の復習も兼ねて、
また、新しく参加される方々に「演劇ワークショプにおけるファシリテーション」を
知って頂くべく、基礎講座を三日間行いました。
【1日目】
講師:島袋寛之・与那嶺圭一・ナツコ(TSJ)
まずは、演劇ワークショップと、
演劇ワークショップにおけるファシリテーターについて説明します。
ファシリテーターとはグループ活動の中で中立な立場になって、
活動がスムーズに進行するようにサポートする専門家の事。
主に教育の現場や福祉の現場などで活用できるスキルです。
このスキルは見よう見まねでは出来ませんし、
前例を知らなくては身につきません。
なのでまずは体験してみましょう!!
今回は、小学校で行われているワークショップを体験して頂きました。
ワークショップの大事な導入部分、
アイスブレイク。
アイスブレイクとは集まった人たちの緊張をときほぐすための手法です。
和ませ、コミュニケーションをとりやすい雰囲気を作り、
そこに集まった目的 の達成に積極的に関わってもらえるよう
働きかける技術を指します。
今回は多めに4つやってみました↓
○じゃんけんゲーム
○仲間わけゲーム
○あやつりゲーム
○積算ゲーム
みんな盛り上がってますね~♪
初めて会う方々も一気に距離が縮まります。
更に【主活動】と呼ばれるメインプログラムへ移ります。
○ジェスチャーゲーム
喋らずに、ジェスチャーだけでテーマに沿って表現するゲームです。
身体表現でどれだけ、人に伝えられるでしょうか?
ファシリテーターが中心になり、
どんなテーマで表現するか、みんなで話し合い。
意見やアイディアが出やすい雰囲気づくりを目指します。
○発表と講評
講評ではどのように見えたのか、多面的・客観的に
良いところ、面白かったところをファシリテーターが、
各々の視点で伝えます。
○振り返り
なぜうまくいったか、出来なかったかをみんなで話し合います。
私達は学校現場を主に、演劇ワークショップを実施しています。
「表現力の向上」や「豊かな創造力・想像力」の育成だけでなく、
「思考力・コミュニケーション能力」などを養うことも
目的として行われるのですが、
関係性を深めたり、コミュニケーションについて考えるには、
この振り返りが重要なんです。
そこでもファシリテーターは意見を出しやすいように促します。
さらには、今回のプログラムの進行や、
ファシリテーターの働きかけ方などについて、
各グループになって話し合ってもらいました。
次回は二日目にしてファシリテーター役をやってもらいます!
2016年09月14日
台風接近による講座の開催有無について
現在、発生している台風16号が沖縄本島へ接近する予報を受け、
9月17日に予定されております講座を、次の基準で開催か中止を判断致します。
1.暴風警報が発令され、且つバスが運休になった場合
2.10 時 00 分~12 時 00 分の間に沖縄本島・南部・中部に気象庁から「暴風警報」が発令されている場合は、講義を中止とします。その後警報が解除されても講義中止に変更はございません。
3.上記2.以後(研修時間中も含む)に「暴風警報」が発令された場合は、状況により講義を中止する場合があります。会場にて研修運営スタッフよりアナウンス致しますので、その指示に従って下さい。
4.開催前1時間より後に「暴風警報」が発令されたときは、状況に応じ運営スタッフの判断で、講義の中止か開催かを決定し、会場に掲示します。
9月16日(金)18:30〜21:30
9月17日(土)13:00〜16:00
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
高尾隆
島根県松江市出身。専門は演劇教育、インプロ(即興演劇)、吹奏楽教育。インプロ劇団「即興実験学校」で舞台に立つかたわら、学校、劇場、企業、地域、福祉施設などでインプロワークショップをおこなう。著書として『インプロ教育:即興演劇は創造性を育てるか?』(フィルムアート社、2006年)、『インプロする組織』(共著、三省堂、2012年)など。
9月17日に予定されております講座を、次の基準で開催か中止を判断致します。
1.暴風警報が発令され、且つバスが運休になった場合
2.10 時 00 分~12 時 00 分の間に沖縄本島・南部・中部に気象庁から「暴風警報」が発令されている場合は、講義を中止とします。その後警報が解除されても講義中止に変更はございません。
3.上記2.以後(研修時間中も含む)に「暴風警報」が発令された場合は、状況により講義を中止する場合があります。会場にて研修運営スタッフよりアナウンス致しますので、その指示に従って下さい。
4.開催前1時間より後に「暴風警報」が発令されたときは、状況に応じ運営スタッフの判断で、講義の中止か開催かを決定し、会場に掲示します。
9月16日(金)18:30〜21:30
9月17日(土)13:00〜16:00
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
高尾隆
島根県松江市出身。専門は演劇教育、インプロ(即興演劇)、吹奏楽教育。インプロ劇団「即興実験学校」で舞台に立つかたわら、学校、劇場、企業、地域、福祉施設などでインプロワークショップをおこなう。著書として『インプロ教育:即興演劇は創造性を育てるか?』(フィルムアート社、2006年)、『インプロする組織』(共著、三省堂、2012年)など。
2016年09月02日
講座お申し込みについて
いよいよ講座が来週よりスタートします。
お申し込み方法は以下の通りです。
応募される方は、文末にある申し込み用紙をダウンロードし、
ご記入の上、FAXまたはメールにてお送りください。
※定員に達し次第、応募を閉め切らせて頂く恐れがあります。
早めのお申し込みをお願いします。
また、申し込み用紙の提出が難しい場合はメールにて、
下記項目を記入の上、お送りください。
ーーーーーーーーーーーー
■氏名
■年齢
■専門分野
■所属
■携帯番号
■メールアドレス
■参加を希望する講座
1基礎講座
2レクチャー&体験講座
3レクチャー&プログラム研究
4レクチャー&体験講座
■受講動機
ーーーーーーーーーーーー
受講料は無料。
ご応募お待ちしています。
9月9日(金)18:30〜21:30
9月10日(土)13:00〜16:00
9月11日(日)13:00〜16:00
TEAM SPOT JUMBLE(チーム スポット ジャンブル)
津波信一主宰の演劇パフォーマンス集団。ドラマ・CM・舞台と多岐にわたって精力的に活動している。平成23年度より、文部科学省・文化庁事業 「児童生徒のコミュニケーション能力育成に資する芸術表現体験」 (次代を担う子どもの文化芸術体験事業)にて、学校現場を中心にワークショップを行っている。
9月16日(金)18:30〜21:30
9月17日(土)13:00〜16:00
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
高尾隆
島根県松江市出身。専門は演劇教育、インプロ(即興演劇)、吹奏楽教育。インプロ劇団「即興実験学校」で舞台に立つかたわら、学校、劇場、企業、地域、福祉施設などでインプロワークショップをおこなう。著書として『インプロ教育:即興演劇は創造性を育てるか?』(フィルムアート社、2006年)、『インプロする組織』(共著、三省堂、2012年)など。
9月22日(木・祝)18:30〜21:30
9月23日(金)18:30〜21:30
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
吉野さつき
公共ホール文化事業の企画運営に携わり、平田オリザによる演劇ワーク ショップや、野村萬斎と英国ナショナルシアターのワークショップリーダーによる共同ワークショップなどを手がける。教育、福祉、ビジネスなど幅広い現場でのアー ティストによるワークショップをコーディネート。各地の公共劇場や大学などでの人材育成事業にも数多く携わっている。
10月15日(土)16:00〜19:00
10月16日(日)13:00〜16:00
時間調整中。決まり次第ブログにてお伝えします。
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
柏木陽
事業の企画運営に携わり、平田オリザによる演劇ワーク ショップや、野村萬斎と英国ナショナルシアターのワークショップリーダーによる共同ワークショップなどを手がける。教育、福祉、ビジネスなど幅広い現場でのアー ティストによるワークショップをコーディネート。各地の公共劇場や大学などでの人材育成事業にも数多く携わっている。
講座の詳細・時間は、随時当ブログに公開します。
その他、質問等などございましたら、
下記迄気軽にお問い合わせください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
株式会社TEAM SPOT JUMBLE
担当:喜舎場
TEL 098-898-1739
FAX 098-898-9095
e-mail info@spot-jumble.com
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(PDF: 469.8KB)
(PDF: 340.82KB)
2016年08月29日
講座日程情報
お待たせしました。
講座日時が決定しましたのでお知らせします。
受講料は無料。
応募される方は、文末にある申し込み用紙をダウンロードし、
ご記入の上、FAXまたはメールにてお送りください。
ご応募お待ちしています。
※定員に達し次第、応募を閉め切らせて頂く恐れがあります。
早めのお申し込みをお願いします。
参加者募集
・演劇活動を行っている方
・教育関係など児童に関わる活動をされている方
・演劇ワークショップに興味のある方
あなたの技術を
ワークショップに活かしませんか?
実際にワークショップの現場で活躍する講師をお迎えし、
必要となる知識やスキルを体系的に学びます。
9月9日(金)18:30〜21:30
9月10日(土)13:00〜16:00
9月11日(日)13:00〜16:00
TEAM SPOT JUMBLE(チーム スポット ジャンブル)
津波信一主宰の演劇パフォーマンス集団。ドラマ・CM・舞台と多岐にわたって精力的に活動している。平成23年度より、文部科学省・文化庁事業 「児童生徒のコミュニケーション能力育成に資する芸術表現体験」 (次代を担う子どもの文化芸術体験事業)にて、学校現場を中心にワークショップを行っている。
9月16日(金)18:30〜21:30
9月17日(土)13:00〜16:00
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
高尾隆
島根県松江市出身。専門は演劇教育、インプロ(即興演劇)、吹奏楽教育。インプロ劇団「即興実験学校」で舞台に立つかたわら、学校、劇場、企業、地域、福祉施設などでインプロワークショップをおこなう。著書として『インプロ教育:即興演劇は創造性を育てるか?』(フィルムアート社、2006年)、『インプロする組織』(共著、三省堂、2012年)など。
9月22日(木・祝)18:30〜21:30
9月23日(金)18:30〜21:30
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
吉野さつき
公共ホール文化事業の企画運営に携わり、平田オリザによる演劇ワーク ショップや、野村萬斎と英国ナショナルシアターのワークショップリーダーによる共同ワークショップなどを手がける。教育、福祉、ビジネスなど幅広い現場でのアー ティストによるワークショップをコーディネート。各地の公共劇場や大学などでの人材育成事業にも数多く携わっている。
10月15日(土)16:00〜19:00
10月16日(日)13:00〜16:00
時間調整中。決まり次第ブログにてお伝えします。
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
柏木陽
2003 年に NPO法人演劇百貨店を設立し、代表理事に就任。全国各地の劇場・児童館・美術館・学校などで、子どもたちとともに独自の演劇空間を作り出している。近年の主な仕事に、兵庫県立こどもの館での中高生との野外移動劇創作、世田谷美術館の中高生向けワークショップ「誰もいない美術館で」の進行など多数。青山学院女子短期大学、大月短期大学、和光大学等で講師もつとめる。
講座の詳細・時間は、随時当ブログに公開します。
その他、質問等などございましたら、
下記迄気軽にお問い合わせください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
株式会社TEAM SPOT JUMBLE
担当:喜舎場
TEL 098-898-1739
FAX 098-898-9095
e-mail info@spot-jumble.com
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2016年08月22日
受講者募集!!
参加者募集
・演劇活動を行っている方
・教育関係など児童に関わる活動をされている方
・演劇ワークショップに興味のある方
あなたの技術を
ワークショップに活かしませんか?
教育・福祉・新人研修など様々な現場において、
演劇ワークショップの需要が高まっています。
一方、沖縄県内には、ワークショップの知識や
スキルを持つファシリテーターがほとんどおらず、
学べる場所や機会もないため、ワークショップを
実施できる人材が圧倒的に不足しています。
そこで27年度、沖縄文化活性化・創造発信支援事業の支援を受けて
「ワークショップファシリテーター養成講座」を開催しました。
演劇経験者だけでなく、教師や介護士、自立支援関係者など様々な職種の受講者が参加し、
20代から80代までの幅広い年齢層の方々が、共に学び、意見や情報の交換が出来る
有意義な場となりました。
※講座の様子はブログにてご覧頂けます。
http://teamspotjumble.ti-da.net/c332904.html
そして28年度も「ワークショップファシリテーター養成講座」開催が決定致しました。
実際にワークショップの現場で活躍する講師を迎え、
必要となる知識やスキルを体系的に学びます。
9月9日(金)18:30〜21:30
9月10日(土)13:00〜16:00
9月11日(日)13:00〜16:00
TEAM SPOT JUMBLE(チーム スポット ジャンブル)
津波信一主宰の演劇パフォーマンス集団。ドラマ・CM・舞台と多岐にわたって精力的に活動している。平成23年度より、文部科学省・文化庁事業 「児童生徒のコミュニケーション能力育成に資する芸術表現体験」 (次代を担う子どもの文化芸術体験事業)にて、学校現場を中心にワークショップを行っている。
9月16日(金)18:30〜21:30
9月17日(土)13:00〜16:00
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
高尾隆
島根県松江市出身。専門は演劇教育、インプロ(即興演劇)、吹奏楽教育。インプロ劇団「即興実験学校」で舞台に立つかたわら、学校、劇場、企業、地域、福祉施設などでインプロワークショップをおこなう。著書として『インプロ教育:即興演劇は創造性を育てるか?』(フィルムアート社、2006年)、『インプロする組織』(共著、三省堂、2012年)など。
9月22日(木・祝)18:30〜21:30
9月23日(金)18:30〜21:30
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
吉野さつき
公共ホール文化事業の企画運営に携わり、平田オリザによる演劇ワーク ショップや、野村萬斎と英国ナショナルシアターのワークショップリーダーによる共同ワークショップなどを手がける。教育、福祉、ビジネスなど幅広い現場でのアー ティストによるワークショップをコーディネート。各地の公共劇場や大学などでの人材育成事業にも数多く携わっている。
10月15日(土)
10月16日(日)
時間調整中。決まり次第ブログにてお伝えします。
※昨年度の講座受講者または、今年度の基礎講座受講者が対象です。
柏木陽
2003 年に NPO法人演劇百貨店を設立し、代表理事に就任。全国各地の劇場・児童館・美術館・学校などで、子どもたちとともに独自の演劇空間を作り出している。近年の主な仕事に、兵庫県立こどもの館での中高生との野外移動劇創作、世田谷美術館の中高生向けワークショップ「誰もいない美術館で」の進行など多数。青山学院女子短期大学、大月短期大学、和光大学等で講師もつとめる。
受講料は無料。
講座の詳細・時間は、随時当ブログに公開します。
その他、質問等などございましたら、
下記迄気軽にお問い合わせください。
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株式会社TEAM SPOT JUMBLE
担当:喜舎場
TEL 098-898-1739
FAX 098-898-9095
e-mail info@spot-jumble.com
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2016年04月21日
永山智行さんインタビュー(3)
※左:永山智行さん(「劇団こふく劇場」主宰) 右:島袋寛之(TSJ)
◆舞台上でもし何かがあった場合の対策はお考えですか?
最初は、慎重にしてました。例えばうちの役者と車椅子のメンバーが舞台上にいるようにするとか。
でも、失敗を恐れない事を重ねてきているから、このぐらいの事まで起こっても大丈夫っていう懐が割とあるんです。
やっぱり失敗しないとねー…新車と同じで、何度かぶつけると諦めがつく(笑)
さっさとぶつけた方が気楽になれますよ(笑)
◆例えば、WSの中で、何かを作品化する時、セリフが覚えられない子に対しては、どんどん課していった方が良いのでしょうか?
人によると思いますけど、セリフが言えなくて立つだけで精一杯っていう人であれば、そういう役割を与えます。
これは、演劇のおもしろいところであって、一人一人役割が違うけどそれぞれの役割を担い、きちんと果たしてもらいます。そこがいないと成立しないんだという事を皆で共有するんです。
◆以前、エイブルアート・オンステージを、シアタートラムで見た時、
健常者の直前の雰囲気とは全く違うと思ったんです、さまざまな障がいがある人がいて耳が聞こえない人には手話が飛んでいる、目が見えない人には誘導する人がいる、車椅子の人を楽屋に運ぶ人がいたり、いくつもの関係性があって、全体がズルズルと動いていく事に決定的に違う事だと思ったのですが、永山さん的には、やっている事が同じなのも分かるんですが何が決定的に違うのでしょうか?
一人じゃ舞台に出て行けない、じゃあ、誰かが車椅子を押すという形を取る、当然そこで役割が増える、それが、きちんとドラマの中で活かされていく事が必要だと思います。
電動車椅子に乗っているとか、セリフを覚えきれないとか、現実のものがグッとドラマの中に入ってきます。
劇団でやっているときは現実の自分の身体とか、自分の状況を俳優自身が、おさえて舞台に立つ事が出来るけど、それが物理的にできない、ならば、それを成立させる為にあらゆる方法を使って考える。そこの違いはあるかもしれないですね。
全員が全員、お互いの事を良く見てないと成立しないってことが大きいと思います。
小道具ひとつ取っても、自分では準備できない事が起きるからそれをメンバーで支え合ってカバーしあいますよね。舞台の外では、お風呂に入れたり、トイレに一緒に行ったり、ご飯をたべさせる、それをやった上で舞台に立つわけだから、そこまでやって舞台にグイっと入ってくる感じはすると思いますよね。
◆サポートスタッフは何名ぐらい入るんですか?
大学のボランティアの子達が入ってくれたり、その中から卒業しても関わってくれる人もいたり、と、結構広がりがありますね。
◆ご家族との距離感はどうですか?
引いてみる方もいれば、手伝ってくれる方もいます。見方は色々ですね。
障がいを持った子が舞台で「さらしものにされる」っていう感覚を持つご家族もいらっしゃるし、ずっと公演を追いかけて東京まで来てくれるご家族もいますしね。
◆彼らが自信を持っている変化を周りはどうやって受け入れ始めているのでしょうか?
周りはきっと「熱心に出掛けてんな〜」ぐらいじゃないでしょうかね(笑)。結局全ては本人の参加したい意思のみですから。
◆最後に、社会包摂をどう捉えていらっしゃいますか?
私にとっては「ネタ」。
変な言い方だけど、やっぱり楽しいですよ。町で車椅子の人に出会うと「この人舞台に立ったら面白いんじゃないかな」とか
——— 一同笑 ———
そんな風に見ちゃいますよね。
いろんな人がいて、色んな人と、この人が出会うとどうなるのかな、面白い事になるんじゃないかな…って、演出家のポジションで見ちゃうけど、でもそう考えるとどんな人でも大丈夫です。寝たきりの人でも、舞台上でずっと寝たきりでも面白いな、って思うんです。
日常では難しい事でも、演劇にのせると全部面白がれるんです。
◆どちらかと言えば、生きていたら閉ざしたくなるような事も面白がれるっていうのは、すごい演劇の価値だなと学んだ気がします。
演劇って人間そのものを面白がれるメディアなんだと思います。演劇だからこそ人を面白がって良いんですよね。
2016年04月21日
永山智行さんインタビュー(2)
◆プログラムで車イスの方がいた時の応対はどうしたら良いですか?
こっちが教える、とか準備してあげることをしないことですかね。そこで起こる事そのものが正解だと。
失敗することが一つの体験だし、うまくいかないことを経験しなければいけないと思います。
それを経験できるのがWSの良さじゃないでしょうか。
うまくやらなくちゃいけないとか、何時までにこれをやらないといけないだとかじゃなくて、WSの場は失敗したりやり直したりすることがすごく豊かな時間だと思います。それこそが一番。
失敗する体験・うまくいかない経験の場をこっちが奪っちゃいけないと思います。
奪うっていうのは、先回りして上手に進めようとすること。ある意味、失敗を招いてしまう。なるだけ、放り投げて(笑)
WSだからねぇ、うまくいかなくたっていいんじゃない(小声)
(一同笑 )
どうしても学校の授業の時間を使ってる為、時間内にやらないと、というシビアになるけど。あっさり諦める方が良い。はい次、次、となると、だんだん目の前が見えなくなるほうがもったいないと思います。
◆舞台をやってお客さん(観客)の目が変わるとは、具体的にはどう変わっていくのでしょうか。
「みやざき◎まあるい劇場」でいえば、最後は普通のお芝居を観てるような感覚と同じになるようです。
終わった後に「あの人たち本当に障がい者ですか?」「健常者が演じてるんですか?」って聞かれたりするんですけど、だんだん気にならなくなるんだと思います。なかなか日常の中で1時間半も車イスの人をじっと見るという体験がないですからね。
一人の人間をじっくりその人の一挙手一投足とか、仕草を見るだとか、普通にコップを取る動作にしてもゆっくり、ゆっくり動く事が、美しい仕草だなと思います。
じっくり人を見るというのは、それこそ、劇場・舞台で許される行為であって
そうした時に、「障がい者」というカテゴリーではなく、一人の人間として、その人と出会うのかなって気がします。
出会ってしまうと、障がい者というカテゴリーが後ろに遠のいてしまうです。
◆永山さんの活動の全体の中でWSはどのぐらい占めているんですか?
基本的に断らないし、面白いし、楽しい。毎回そこで起こる事が違うから、ある種、観客的な楽しみ、その瞬間に立ち会う喜びがあります。子ども達を取り囲む社会の状況をも一緒に体験したり味わったり色んな刺激をもらえます。作品を創っていく上では刺激だったりモチベーションをもらえる場じゃないかと思います。
◆地域と関係を持って行く為にWSをやらなきゃいけないって考えた事ありましたか?
“何とかの為に”とは思ったことはないですね。基本、来た球を打つというタイプだから声掛けて頂いたら「あ、やります」っていう感じで……。必要としてくれたり、求められたりする場があることが何よりも嬉しいし、そこで広がっていくのであればこの上ない喜びだから「何かのためにやらなくちゃいけない」という風に思ったことはないですね。
私が置かれている環境がすごく贅沢なんだろうなと思います。そうしなくてもまとめてくれる人がいたり、広がりがあったり、そういう事に一個一個丁寧に応えていった結果かもしれないけど…ほんと少しずつちょっとずつですからね。
25年という時間はかかってるんだろうな、とは思います。
◆若手世代でも宮崎の方でWSをする人は出て来ていますか?
WSの機会があれば、なるべく若い人達に振るようにしています。
だから、そこまで広がりはないけど、若い人達には、WSを当然やるものだっていう感覚ではあると思います。九州のネットワークがあるものと同じように若い人たちにもWSが定着しつつあると思います。
◆作品やってくれって普通の人からは頼みづらいけど、「WSやって下さい」や、「自分たちがやる活動をガイドして下さい」という事なら頼み易い、WS自体が新たな出会いを生むためのものだけど、WSが出会える為のコンテンツでもあり、きっかけである事になりやすいですよね。
―――続きまして、障がいを持つ方や、家族、周りのサポート…舞台での対策について話して頂きました。
2016年02月27日
永山智行さんインタビュー(1)
11月14日に行われた
「障害者とともにつくる演劇 舞台芸術と社会包摂」
〜あなたの人生をそのまま舞台に〜
レクチャー&ディスカッションを終え
「劇団こふく劇場」主宰、永山智行氏に、
宮崎での活動、ワークショップ(以下、WS)のプログラム内容、
さらには「社会包摂」のあり方にについてお伺いしました。
(インタビュアー:ファシリテーター4年目 島袋寛之)
◆永山さんがやっているWSや、取り組み(福祉や障害)を身近に感じるきっかけとは?
とりあえずやるしかない、というか…「出会うしかない」ということでしょうか。
事前に準備とか勉強とかしてても、やればやるだけ固くなってしまうかもしれません。ルートを決めないことが楽で、気楽にやれます。
WSでもそうだけど、そこから外れたことが間違いとか失敗と捉えてしまいがちになってしまうので、それよりは出会うのが手っ取り早い気がします。
◆永山さんは演劇WSをいつ頃始めて、どこで学ばれたのですか?
習ってはいないですね、高校演劇の講習会で講師をして初めて経験したくらいで。
あと、ちょうど30歳迎える頃に(結婚して、子どももいたので)これから先、若者のノリじゃなく、演劇をやるなら腹くくってしっかりやらなきゃなって思いました。そこで、劇団を1年休止して、初めて舞台に立つ人を集めてお芝居をやるという企画を立てたんです。
その時、今のWSに繋がるような事をやってました。劇団の稽古を取り入れたり、よそのWSに参加してそのメニューを使わせてもらったりだとか。通っていた東京学芸大学の研究室でもらったオーストラリアの演劇教育の教科書の抜粋などあったのでそれを読んで学びました。色んな所からかき集めて今の形になっているという、誰かに習ったわけではないですね。
◆WSをやるにあたってヘルパーさんやご家族の方から事前に情報を聞いたりするんですか?
あえて聞かないようにしています。命に係わることがあれば別だけど、基本的にはあまり聞きません。そこで起きる事も含めてWSの時間ですから。
トラブルになったりとか時間が止まっちゃったりするのも、そこも物語的に観ると面白いですよね。
やっぱり、事前情報があると、そこで起きる事をどうしてもフィルターをかけて見ちゃうので、自分もその中の登場人物の1人としてそれを含めて楽しみます。
*みやざき◎まあるい劇場で作品の稽古をしてても、知的の子は気分が乗る、乗らないがはっきりしてて、ずーっと泣いてたり、部屋に籠ったり。車椅子のメンバーなんかも、トイレ行くにも、食事するにもすごく時間がかかって稽古も止まっちゃうし、普段通りにはいかないけどそこで起きる事も1つの作品。
作品って、過程そのものが作品だと思っていて、効率良く稽古したから出来るってものじゃなくて皆で共有しながら経てきた時間そのものが一つの作品のような気がして…そういう時間も含めて作品だと思っています。
そこで色んな起きることを「良し」というか、また新しい材料が手に入ったぐらいの感じ(笑)
◆事前情報入れすぎたり、プログラムを入れすぎると実際やる時に動けなくなる?
自分自身がね、フレキシブルでもないし、自由に動ける人間じゃないんです。
話を決めると固くなっちゃうし、これをやらなきゃいけないとか囚われちゃうと、だんだん目の前の人達が見えなくなってしまう、だから、怖いけど流れに身を任せたほうが自分が自由になれるんです。
※みやざき◎まあるい劇場とは、劇団こふく劇場と福祉作業所アートステーションどんこやが2006年にはじめた、障害者も参加する演劇プロジェクトです。
―――引き続き、宮崎での活動、WSのプログラム内容についてお伺いします。
2016年02月26日
最終講座・シンポジウム
いよいよ、明日・明後日、
最終講座とシンポジウムが行われます。
2/27(土)
ファシリテーター養成講座
この講座では、実際に体験出来るプログラムと、
実地研修を終えての意見交換会をご用意しています。
14:00開場
14:30~16:00
ワークショップ体験・わたなべさんによる解説
16:00~17:30
実地研修報告・相談会
2/28(日)
事業報告会・シンポジウム
コミュニケーションから地域を変える
~演劇WSの多様性と可能性~
14:30 開場
15:00~15:30
事業報告会
15:45~17:45
パネルディスカッション
進行役:津波信一
パネリスト:
世田谷パブリックシアター劇場部 恵志美奈子さん
沖縄県介護福祉課 米須正泰さん
沖縄市立室川小学校 教頭 宮城卓司さん
特定非営利法人 PAVLIC わたなべなおこさん
名前五十音順
イオンモールライカム3階 イオンホール
水槽のある中央エレベーター近く
3階、イオン銀行脇の通路より入ります。
受講料・入場料は無料。
当日ご参加頂く事も可能です。
その他、質問等などございましたら、
下記迄気軽にお問い合わせください。
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株式会社TEAM SPOT JUMBLE
担当:喜舎場
TEL 098-898-1739
FAX 098-898-9095
e-mail info@spot-jumble.com
イベント当日お問い合わせ
担当(喜舎場):090-9788-5673
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2016年02月14日
最終講座・シンポジウム開催
これまでにファシリテーター養成講座では、
8日間の演習と、全10箇所・34日間の実地研修を行ってまいりました。
今年度の最後の締めくくりとして、
最終講座とシンポジウムを開催します。
2/27(土)
ファシリテーター養成講座
この講座では、実際に体験出来るプログラムと、
実地研修を終えての意見交換会をご用意しています。
まずは、体験!
そして、研修の現場で生まれた悩みを、
みんなで共有し、解決策を話し合います。
未経験者、大歓迎!
ご参加お待ちしています。
2/28(日)
事業報告会・シンポジウム
コミュニケーションから地域を変える
~演劇WSの多様性と可能性~
事業報告ではこれまで行ってきた演習や研修のことを報告します。
そして、パネルディスカッションでは、
教育現場・福祉の現場、そして劇場が主催するワークショップについて、
それぞれの立場から、多様性と今後の可能性についてディスカッションして頂きます。
進行役:津波信一
パネリスト:
世田谷パブリックシアター劇場部 恵志美奈子さん
沖縄県介護福祉課 米須正泰さん
沖縄市立室川小学校 教頭 宮城卓司さん
特定非営利法人 PAVLIC わたなべなおこさん
名前五十音順
ワークショップが浸透しつつある現在、
その必要性と可能性について語り合う場が、沖縄にはありませんでした。
自分の仕事に活かしたい。
ワークショップに興味がある。
そもそも、ワークショップは必要なの?
小さな動機でも構いません。
きっと、何かしらのヒントになるはずです。
受講料・入場料は無料。
イベントの詳細などは、随時ブログに公開します。
その他、質問等などございましたら、
下記迄気軽にお問い合わせください。
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株式会社TEAM SPOT JUMBLE
担当:喜舎場
TEL 098-898-1739
FAX 098-898-9095
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応募される方は、下記チラシをダウンロードし、ご記入の上、
FAX、またはメールにてお送りください。
みなさまのご応募お待ちしています。
(PDF: 1979.21KB)
2016年02月01日
菅原直樹さんインタビュー(4)
重要なのは「老い・ボケ・死を受け入れる文化」を
地域に創出させること…最後に、演劇人が介護現場で
演劇を行う際のポイントなども伺ってみました。
■菅原さんは俳優であったあとに、介護士になるということを自分で勉強して、今、両方成立させていますけれども、もし演劇の人が、介護現場で演劇を使った何かをしていくとなったときに専門的な研修が必要だと思いますか?もし必要だとしたらどういったことを学ぶ必要があると思いますか?
どこまで関わるかですけれども、やはり認知症の人の理解だったり、高齢者の病気とか、そういう基本的な知識はあった方がいいかもしれません。
■私たちが学んで、沖縄で行っていく可能性というのは、あると思いますか?どこで学ぶかという問題はありますが。
別にそんなにすごく知っていなくてもいいと思いますけどね。アーティストが介護の現場に行って何ができるかというと、介護の専門性とはまた別に、お年寄りと人として向き合えるかということです。逆に専門性を身につけることによって見えなくなることもありますから。
■そこがアーティストの強み?
そうですね。まぁ、そこが難しいところでもあるんですよね。介護職員とアーティストで価値観が大分異なるので、擦り合わせは慎重に行なった方がいいと思います。介護職員にとっては当たり前のことが、アーティストにとっては「これ、ひどいんじゃないの?」と思うことも多々ありますから。入浴拒否をするお年寄りを無理矢理お風呂に入れようとする光景とか。まぁ、逆にアーティストにとっては当たり前のことが、介護職員にとっては「信じらんない」と思うこともありますし。もし介護職員とアーティストが一緒に作る場合は、そこらへんの価値観をどのように刷り合わせていくかということを慎重に考えた方がいいと思います。
■コーディネートが重要になってきますね。
特別養護老人ホームに行ったことってあります?
■はい。中学生のときにボランティアで行って、おばあちゃんに付いたら方言がまったくわからなくて何を言っているかがまったくわからないという経験があります。その方が認知症なのか、本気で言ってるのかもわからなくなって、そういう恐怖感というのが残ってしまっていますね。
実習の学生が老人ホームに来るんですけれども、やっぱり同じような感じになりますね。最初は話しかけるんですけど、時間がもたずに隣に座っていてぼうっとしてる。もしアーティストが行ったとしてもそうなる可能性もありますよね。ぼくも最初そうでしたから。
そこがね、難しいんですよ。僕は介護現場に慣れていますけれども、初めて介護現場に行ったときは「うわ、すげーところにきちゃったなあ」と思いましたね。最初の午前中は、このお年寄りたちと話すことはできるかなと不安になるんですよ。午後になると慣れてきて、おじいさんやおばあさんのひとりひとりの個性が見えてくるんです。よく喋る人はよく喋りますし、喋らない人全く喋らないですからね。必ずフレンドリーなおばちゃんがいるので、最初はその人と仲良くするといいですね(笑)。
あと認知症の度合いが外からではわからないじゃないですか。そこらへんを介護職員がうまく教えてくれる環境になっているか、ですね。脳血管障害が原因で失語症の方もいますからね。アーティストが来たことによって、お年寄りが普段はあまり見せない表情を見せてくれる、ということわりと簡単に起こると思います。老人ホームの一部をアトリエにして、日中作品を作ることだけでも面白いんじゃないかと思います。僕はね、“おかじい“のおかげで、じじばばコミュニケーション能力がものすごく上がったんですよ(笑)。
■(笑)
僕は老人ホーム行ったら一日中しゃべる自信がありますね。まぁ、一緒にぼうっとしているのも楽しいですよ。
■今後は、どのような活動を行っていく予定ですか?
次の公演のことしか今は考えていないんですけれど、実在の学校を架空の老人ホームに見立てた『老人ハイスクール』という舞台を上演します。設定は、少子高齢化で高校が廃校になって、老人ホームとしてリニューアルオープンするというものです。母校で老後を過ごす個性的な老人たちの充実した今…つまり青春を描くというものです。前代未聞の老人ホーム青春群像です(笑)。
■老人の青春!ものすごい突飛な感じがしますけど、設定はすごくリアルですね。今、稽古真っ最中とのことですが、介護者とお年寄りと俳優でひとつの作品を作り上げるのは難しくはないですか?
おかじいは台本にないことを喋って、よく物語から脱線するんですよ(笑)。共演している俳優は、俳優という名の介護者になって、物語から脱線したおかじいを元に戻さなければならないんです。介護しているのか演技しているのかわからなくなりますね(笑)。お客さんもリアルなのかフィクションなのかわらかならくなるんじゃないかなと思います。お客さんが認知症の人になった気分が味わえる、虚実が入り混じった舞台を作っていきたいですね。
■これからも「OiBokkeShi」の活動、楽しみにしています。ありがとうございました。
ありがとうございました。
2016年01月31日
菅原直樹さんインタビュー(3)
おかじいとの芝居で新たな発見を感じた菅原さん
ここでは、老いと演劇のWSの目的、楽しさについてお伺いしました。
■“おかじい”と出会って発見ってあったんですか?一緒にお芝居をして何か感じたことは?
おかじいとの演劇活動は、東京で同世代の人たちと演劇活動をしていたときとはまた異なる、楽しさがありましたね。それは、おそらく、おかじいの今がキラキラ輝いているからですかね。
これは介護の世界で教えてもらった考え方なんですが、お年寄りは今がいちばんいい時なんです。だって、明日はさらに老い衰えるし、極端な話、明日は病に倒れるかもしれない。おかじいと稽古していると、やっぱりそういうことを考えてしまうんですよね。もしかしたら今回の作品はおかじいの遺作になるかもしれない、いや、もしかしたら公演当日を迎えることができないかもしれないぞ、と。90近いおじいさんと一緒に舞台を作るとなると、やっぱりそういうことを考えてしまうんですよね。そして、そういうことを考えると、今目の前にいるおかじいが輝き出すんですよ。とにかく一回一回の稽古を大切に楽しもうと。
■稽古への情熱が増しますね。
あと、おかじいに演劇をさせると高い確率で奇跡が起こるのも興味深いですね。おかじい自身も「演劇があるからパワーが出る」と言っているんですが、最初出会ったときよりもおかじいは若返って見えますね(笑)。おかじいにとって演劇は生きがいですよね。実際に、台詞覚えをして頭を使って、演技をして身体を使って、認知機能・身体能力が向上しているんじゃないかなと思います。最近、おかじいは超人になりつつあります(笑)
■はじめてまだ1年半で、例えば地元のテレビ局がドキュメント番組を作るというところまでインパクトになっていて、あっという間に話題になっているのですが、これはどういうふうに捉えられていますか?
介護と演劇を結びつけたというところが大きかったんじゃないですかね。WSを開催する前に、こういう趣旨のWSをやりたいんです、と役場の方に言いにいったんですね。そしたら、その方が新聞社に連絡してくれて、新聞社3社が合同で取材に来てくれたんです。その取材がとても手応えがあったんですね。数日後、それぞれの新聞に記事が大きく掲載されました、まだ老いと演劇のWSをやっていないのに(笑)。
■(笑)
それはすごくプレッシャーになったんですけれども(笑)。介護というのは、超高齢社会が進む中でいますぐどうにかしなきゃいけない問題ですよね。それと、何の役に立たちそうもない演劇が結びついたから注目してくれたんでしょうか。その新聞記事を読んで、テレビ局の方が取材に来てくれて、それからどんどん広がっていきました。
■私たちは教育現場でのWSが多くて、コミュニケーション育成を目的にしてる場合は、演劇を活用して話し合いを促すことを目標に立てるのですが、老いと演劇のWSの場合、目的はどこにありますか?
そうですね。老いと演劇のWSでは、一般の方々に認知症の人との関わり方を知っていただき、認知症の人と今ここにいることをともに楽しむ介護をしていただくことを目的にしています。マイナスイメージのある介護を楽しく感じていただければと思います。
■どういう楽しさですか?
認知症の人に対する偏見ってあると思うんですよね。「認知症になったらおしまいだ」とか。認知症を患ったことによって異質の存在になってしまったという認識があると思います。しかし、特別養護老人ホームで働いて、多くの認知症の人と関わっていて思うことは、やっぱり、同じ人間なんだという感覚ですよね。そういう感覚も持つためには、ボケを受け入れる演技が必要なのではないかと思います。
たとえば、認知症になっても「人を思いやる心」はしっかりと残っているわけです。人格のコアとなる部分は残っています。しかし、介護者は関わり方を知らないと、認知症の人の「人を思いやる心」を踏みにじってしまうことがあるんですね。
というのは、認知症の人は「人を思いやる心」から何か行動を起こします。しかし、それが中核症状によって、おかしなアウトプットになってしまうことがあるわけです。
たとえば、杖を持って掃き掃除をしているおばあさんがいたとします。よき介護者は、そのおかしなアウトプットにそのまま反応してはいけないんです。「杖で掃除してもきれいにならないよ」とは言ってはいけないんです。
その奥に潜む認知症の人の気持ちを察して、自分もおかしな言動をして合わせることによって、認知症の人の気持ちを受け取ることができるんです。「いつもありがとうございます。新しいほうきがあるので、こっちを試していただけますか」と言ってほうきを渡す。
そういった演技をすることによって、認知症の人の気持ちを受け取ることによって、心を通わすことができるのではないかと思います。
■介護現場の人と芸術分野の人の交流は可能でしょうか?
可能だと思いますよ。
例えば、介護現場では介護者が業務に追われて感覚が麻痺してしまうことがあります。お年寄りひとりひとりときちんと向き合う余裕がとれず、効率優先の介護をしてしまうことがよくあるんですね。もし芸術分野の人と介護現場の人との交流が生まれるのであれば、芸術分野の人にはお年寄りひとりひとりの人生を想像させるような作品制作やワークショップをしてもらいたいですね。
また、介護現場の人は、日頃から老い・ボケ・死と向き合っている方々なので、芸術分野の人にとっては興味深いエピソードを話をしてくれるのではないかと思います。僕がいつかやりたいなと思っているのは、介護施設でのアーティスト・イン・レジレンスです。介護現場に身を置くことによって「人間とは何か?」「生きるとは何か?」といった根本的な疑問と向き合うことができます。こういった根本的な疑問と向き合うことは、芸術分野の人にとってはとても意義のあることだと思います。
あと、老人ホームは地域との間に壁があるので、壁をどうなくすかという問題があります。介護現場に芸術分野の人が参加することによって、その壁をなくすことができるのではないかと思っています。
■それはどういう壁ですか?部外者を入れないというような壁ですか?
そうですね。昔は老人ホームって山などの隔離された場所に建てられていたわけですけど、今でも地域住民の人たちが気軽に中に入れることはできないですよね。だから、地域の人は将来自分が老いてボケたときに行く場所があそこだということはわかっているんですけど、建物の中のことはよくわからないんですよね。家族が入居している場合は通いますけど、それ以外で老人ホームの中に入ることはまずないわけです。
だからもっと老人ホームをオープンなものにする必要があるのではないかと思います。要介護状態のお年寄りと地域の方々が自然に交流できて、地域の方々が活き活きしているお年寄りの姿を見ることができる。このように「老い・ボケ・死を受け入れる文化」を地域に創出させることが、いまとても重要なのではないかと思います。
たとえば、僕が特別養護老人ホームで働いているときに考えたのは、老人ホームで質の高い舞台を作ることによって、地域の方々に老人ホームに足を運んでいただく、という計画です。いつか認知症の人と舞台を作りたいですね。地域の方々に認知症になっても舞台の上で輝いている姿を見ていただく、これが地域の希望になるのではないかと思います。
———おかじいが起こす奇跡、是非とも生で観てみたいものです!
最後は、介護現場で演劇を行う際の知識やポイントについて、
また、今後のOiBokkeShiの活動を語って頂きました。
2016年01月30日
菅原直樹さんインタビュー(2)
前回は、菅原さんのお仕事とワークショップ内容についてお伺いしました。
続いては、菅原さんが岡山・和気町に移住し立ち上げた“OiBokkeShi”。
活動を始め、自分自身や地域の変化について語って頂きました。
■介護に演劇が役立つことに気付いたきっかけというのは何だったんですか?
特別養護老人ホームで働き始めたら、仕事が楽しかったんですね。それで、この楽しさって演劇の楽しさに似てるなと思ったんです。なんでだろうといろいろ考えて、最近気づいたのは、なぜ演劇を観るのが好きかといったら、それは生で個性的な人を見たいからなんですよね。で、老人ホームで働いていると生で個性的な人を見放題なので(笑)。
演劇と介護は本当に相性がいいと思います。介護に演劇が役立つこともあるし、演劇に介護が役立つこともあるし。「自分にとって演劇とは何か?」ということと、「自分にとって介護とは何か?」ということが、もしかしたら同じ答えなのかもしれないですね。その答えはまだうまく言葉にすることができていませんが。
ぼくは介護現場で働くようになってから、認知症があんまり怖くなくなってきたんですね。以前は、こんな怖い病気があるのかと思っていました。だって、目の前にいる愛する人が誰だかわからなくなるかもしれないし、青春の大切な思い出をなくしてしまうかもしれない。こんな恐ろしい病気を患ったら生きてても……とかいろいろ考えました。しかし、いまは全くそういうことは思わなくなったんですね。
というのは、認知症の人は確かにいろいろなことができなくなるかもしれませんが、今この瞬間を楽しむことはできる、ということに気づいたからなんですね。関わり方によっては、今この瞬間を楽しむことができる。これって大きな希望だなと思ったんです。
演劇っていう表現形式の最大の特徴は、観客と俳優が「今ここ」を共有して楽しむということです。認知症の人との関わりにおいて演劇の知恵はとても有効だと思います。身体を使ったコミュニケーションゲームや、おかしな言動を受け入れる演技によって、認知症の人と「今ここ」をともに楽しむことができれば、介護はもっと楽しくなるのではないかと考えています。
■認知症の方の話に乗ってみようと思った瞬間というのはあるんですか?
やっぱり気になるじゃないですか?「ご飯の時間ですよ」と声をかけたときに、おばあさんが「いや、これから田植え行くんじゃ」と言うわけですよ(笑)。現実の世界に戻す場合は「いや、もう田んぼはないですよ。それよりご飯食べましょう」という関わり方になりますよね。だけど、このおばあさんが田植えしている姿見たい!とも思うわけですよ(笑)。
介護者には一見問題行動に見えてしまうかもしれませんが、そのおばあさんにとっては「田植え」はアイデンティティを支える大切なものかもしれないですよね。田んぼがなくなっても、生きている限り田植えをしたいと思うわけですよ。ボケを受け入れる演技をすることによって、その人がこれまで何を大切にして生きてきたかとか、そういった人生のストーリーが垣間見えてきます。そして、人生のストーリーを知ることはよりよいケアをするためには必要不可欠です。
お年寄りの人生のストーリーに好奇心を抱く、というのは、演劇をやってきた人間だからなのかなと思いますね。アーティストが介護現場で活動する強みは、そういった部分なのではないかと思います。
■老いと演劇の活動を始めて、自分自身、周囲、そして地域に変化はあったのですか?
岡山・和気町で老いと演劇の活動を始めたとき、地域の方々は、演劇に興味がある、というよりも、町を盛り上げたい、という思いで協力してくださいました。建具屋の市川さんという熱い方がいらっしゃるんですが、その方がぼくと地域を結びつけてくださいました。今は市川さんには舞台監督をしていただいています。演劇は総合芸術と言われるくらいですから、俳優以外にも様々な役割があるので、建具屋さんに舞台美術をお願いしたり、床屋さんにスタイリストをお願いしたり、地域のさまざま方のお力をお借りして活動しています。中には演劇にのめり込んだ方もいて、時計屋の和田さんは今まで演技経験がなかったんですけれど、OiBokkeShiの公演に出演してから俳優として目覚めて、この間は別の団体のミュージカルに出演していました(笑)。
■すごいですね(笑)最初は出演がその方も初めてじゃないですか。抵抗などはありましたか?人前に出るのは恥ずかしいとか。
そうですね。最初は老いと演劇のWSに参加していただきました。老いと演劇のWSは、演劇経験のない方でも楽しめるように、演劇のハードルをかなり低くしました。和気には演劇人口がほとんどいないということがわかっていたので、まずは「介護関係者を老いと演劇のWSを通じて演劇関係者に変えていこう」という目論みがありました。
■介護のWSで、演劇が面白いなという風に変わったということですか?
そうです。実際に介護関係者の方にワークショップで演技をしていただくと、とても上手いんですよ。それはおそらく、普段、介護現場で認知症の人とのコミュニケーションに演技を活かしているからだと思うんですよね。そういう意味では、ぼくがやっていることは介護の現場で当たり前のことなんです。ただ、一般の方には奇異に映ると思いますが。
老いと演劇のWSは、介護を入口にして演劇を身近に感じていただけますし、また、演劇を入口にして介護の楽しさを感じていただけるのではないかなと思います。時計屋の和田さんは演劇と介護のどちらともに興味を持ってくださったので、公演台本を書くときに断りもなく登場人物に「時計屋の和田さん」を登場させたんです。(笑)。
■(笑)
「和田さん、出ることになってますー」って(笑)。
■自分自身の変化ってありましたか?
それはあると思います。だって、東京で俳優として演劇活動していたときは、自分が劇団を立ち上げるとは思ってもいませんでしたから。ただ、介護と演劇を結びつけて何かをしようとは思っていたのですが、なかなか踏ん切りがつかなかったんですね。岡山・和気町に移住して、周りに演劇ができる環境があまりなくて、演劇をやるためには自分が動かないとできないぞ、となって、やっと踏ん切りがついたんだと思います。
あと、おかじいとの出会いですよね。老いと演劇のWSに88歳のおじいさんが参加して、演技をしてもらったらとても上手かったんですよ。まぁ、上手いというより、パワーがすごいんですよ。もともと芸事が好きで、定年退職後は憧れの映画俳優を目指して、数々のオーディションを受けてきた人なんですね。今村昌平監督の『黒い雨』『カンゾー先生』にもエキストラとして出演しています。
現在は、認知症の奥さんを在宅で介護をしていて、新聞で老いと演劇のWSの記事を読んで、「認知症の人のボケは正さず、演じて受け止める」という見出しに興味を持って、参加してくれたんです。認知症の奥さんになかなか気持ちが通じず、これまで喧嘩ばかりで、時には頭に血が上って手を出してしまったこともあるそうです。しかし、ワークショップに参加してから、奥さんとの関わりに大好きな演技を活かせることを知って、だいぶ良好な関係を築けるようになったそうです。
僕はこのおじいさんと出会って、まさに老いと演劇を体現している人だなと思ったんですね。このおじいさんと一緒に舞台を作りたい。おかじいは僕のことを出会ったときから「監督」と呼ぶんですよ。おかじいと出会ったことによって「監督」になってしまったわけです(笑)。
———88歳のおじいさん“おかじい”と出会った菅原さん。
新たな発見と共にお芝居をして感じた事とは…
2016年01月29日
菅原直樹さんインタビュー(1)
俳優、介護福祉士でもある菅原直樹さんに、ご自身が行われている「老いと演劇ワークショップ」や、「老い」「ボケ」「死」に向き合う演劇ユニット「OiBokkeShi」の活動内容について伺いました。
(インタビュアー:ファシリテーター3年目 与那嶺圭一)
■それでは何点か質問させて頂きたいのですが、ご自身のお仕事とワークショップ(以下、WS)内容についてお聞かせ頂けますか?
普段、介護福祉士として介護現場で働いていて、そこで発見したこと実感したことを、演劇WSという形で一般市民の方々に体験していただいています。
■介護の現場で実感したことというのは?
介護と演劇は相性がいいということですね。そう思った理由は、「お年寄りは俳優になった方がいい」という実感と、「介護者は俳優になった方がいい」という実感からです。つまり、お年寄りに演劇をして頂くことによって何か面白い化学反応があるんじゃないか、ということと、介護者の方も演劇の知恵を活用することによって良いケアができるのではないか、ということです。
理学療法士の三好春樹さんは「人は年をとると個性が煮つまる。真面目な人はますます真面目に、頑固はますます頑固に、そしてスケベはますますスケベに」とおっしゃっていて、確かにぼくが介護現場で出会ったお年寄りはみんな個性的な人ばかりだったんですよね。腰が曲がったおばあさんがゆっくりと歩いている姿を見て、これは俳優として負けるなと思ったんですよ。何か歩いている姿にその人の個性がにじみ出ているように感じたんですね。
さらに、お年寄りは90年近く生きている人ばかりなので人生のストーリーが膨大です。ぼくには想像もつかない激動の時代を生きてきた人ばかりです。ただ歩いているだけで絵になるほどの強烈な存在感があって、人生のストーリーが膨大にある。お年寄りが舞台に立ったら、それだけで劇的になるんじゃないかと思ったんですね。
■介護者も俳優になった方がいいとは?
認知症の人っておかしな言動をしてしまうことがあるんですね。例えば僕のことを時計屋さんと勘違いしたり。
■(笑)
最初は、訂正していたんですけども、毎回、「あら、時計屋さん」と言ってくるんですね。毎回しつこく訂正するのも悪いかなと思ったときに、俳優としての好奇心が湧いたんです。時計屋さんを演じてみたらどうなるんだろう…と。で、演じてみたらいつもよりコミュニケーションが盛り上がったんですね。そして、認知症の人と何かを共有しているような気分になったんですね。認知症の人のおかしな言動を受け入れたら、その人が見ている豊かな世界がかいま見れたような気がした。
そういった認知症の人との関わりがきっかけで、介護者は認知症の人のおかしな言動を正したり、失敗を指摘したりしがちだな、ということに気づいたんですね。認知症の人がおかしな言動を繰り返したり、失敗が多くなるのは、記憶障害や見当識障害などの中核症状があるから、これはもう仕方がないことなんですよね。
にもかかわらず、いちいち認知症の人のおかしな言動を正したり、失敗を指摘していては、認知症の人の感情はかなり傷つけられるんじゃないか。認知症の人は論理とか理屈が通じないことがあるかもしれないけれど、感情はしっかりと残っているんですよね。だから、認知症の人とのコミュニケーションにおいては、論理とか理屈にこだわるのではなく、感情によりそう関わり方をした方がいいのではないか。
それはやっぱり、認知症の人が見ている世界によりそった関わり方ですよね。だから、ぼくらの常識からすれば間違ったことでも受け入れなければならないときがある、ぼくらには見えないものでも見たフリをしなければならないときがある。そうなると、どうしたって演技が必要になってくるんじゃないかと思ったわけです。
■それで介護者は俳優になった方がいいということなんですね。
そうですね。「老いと演劇のワークショップ」では参加者の方々に「ボケを受け入れる演技」を実際に体験していただきます。日常生活で演技をするというと「人を騙す」とか「嘘を言う」とかマイナスのイメージがあると思いますが、演技を通じて人と人が心を通わすこともあるのではないかなと思います。介護者の方々に演技のコツをお伝えすることで、認知症の人とよりよい関係を築いていただければと思います。
■WSのプログラムやファシリテーションというのは、どこで学ばれたのですか?
僕は桜美林大学で演劇を学んだんですけど、そのときに「WSリーダー育成講座」という講義があって、そこで学んだことがいまとても活きていますね。講師は「劇団青年団」の山内健司さん、「演劇百貨店」の柏木陽さん、WSコーディネーターの吉野さつきさんでした。
その講義の課題が、グループになってオリジナルWSを開発するというものだったんですね。半年ぐらいかけて皆で話し合ってオリジナルの演劇WSを作りました。演劇WSを作るということは、「自分にとって演劇とは何なのか?」という疑問と向き合うことなんですよね。授業時間外に先輩のアパートに集まって話し合いをしたり、夜中の公園でWSのデモンストレーションをしたりしました。すごく辛かったんですが、すごく面白かったですね。
■半年間ずっと話し合いをしていたのですか?
話し合いをして、プログラムを試して、また話し合いをして、プログラムを試して、の繰り返しですね。最後に、地域の中学生・高校生に参加してもらうんです。で、最終的にぼくたちが作ったワークショップが『かりあげクン』を舞台化するというものでした(笑)。
■半年間話し合ってですか(笑)。
いやいや、紆余曲折があったんですよ(笑)。「形態模写をしよう」とか「ミュージカルをしよう」とかいろいろなプログラムを試したのですが、なかなかピンと来なくて。「どうしようかー」ってみんなで途方に暮れていたときに誰かが4コマ漫画を読んでいて、「これを舞台化したらどうなるんだろう」ということになって、その場でさっそく舞台化してみたんです。そしたらなんか楽しかったんですよね。4コマ漫画は起承転結を学ぶこともできますし。
■さきほど辛かったと言われましたが、どういうところが辛かったのですか?
演劇WSは、短時間で参加者に演劇の楽しさを伝えるものだと思うんですよね。だから、オリジナルのWSを作るためには、まず「自分にとって演劇とは何か?」という本質的なことを明確にしていかないといけないんですよね。それまでは、何となく演劇をやっていたところがあるので。みんなでああでもないこうでもないと本質的なことを話し合うのは、やはり時間もかかりましたし、辛かったですね。だけど、この講義は本当にタメになりましたね。
次回は、菅原さんが特別養護老人ホームで働き始め
介護に演劇が役立つ事に気付いたきっかけについて語って頂きます。
2016年01月15日
鈴木仁也さんインタビュー (2)
前回は演劇を活用したWSの具体的な成果や、ファシリテーターに必要な能力についてお話頂きました。続いては、ファシリテーターの具体的なポイントについてお伺いします。
――Q:子どもと向き合う時のポイントはありますか?
前向きにやらない子、上手く出来ない子、斜に構えてる子、そういった子ども達をどうやって褒めてのせるか、満足感を持ってもらえるかを考える。実際、青森の八戸でやった時に、うまくいかない内省的な中学生の女の子がいたんだけど、この子に最後、自信持たせて帰ってもらわないとダメだって思ってた。マイクの前で発表させ、一度失敗したんだけど、あえてそこでは普通にそのまま次のグループに進行した。時間に余裕があるのは分かっていたからね。その後で、「もう少しできてもいいなあ。今のはリハーサルにしようか」と全体に話して、きっちりとフォロー態勢を整えて、リベンジをさせて成功させる事ができたんですよ。
実は、母親が見に来ていて、「一回目失敗した後に再チャレンジ出来て本人すっごい喜んでました」って言ってました。いろいろな意味でターゲットとなる子どもを見付けて、その子が満足できるようにということを意識して進行を変えるなど柔軟に対応する決断力を持つことですね。
――Q:時間の制約がある場合、その判断は難しいですよね。
それは、その時その時だからね。私がWSで一番気にしているのは、今話したことだけど、落ちこぼしちゃうとヤバいなという子と、充実感を味合わせておきたい子を見つけることです。見極めの方法は、練習の時や話し合いの姿勢かな。話しが熱心になると、(グループの)輪がどんどん小さくなっていくでしょ、体が前のめりになったりする。輪がいびつな形になっているグループは要注意ですね。参加しない子を見つけると参加しない理由は何だろうと考えます。無理やり参加させても仕方ないだけに。アシスタントには気になる子を必ずチェックさせて、休憩時間などに情報をもらうようにします。
――Q 少し話が変わりますが、最近はWSでのコメント、総評することが難しいな…と感じています。「多方面から褒めること」を訓練することは出来ますか?
経験値も大きいでしょう。例えば、絵画の鑑賞・評価文(解説)に対して、それと全く違う観点でこの絵を褒めてみる。専門家が評価するのは歴史的な位置づけなどの背景を踏まえてなのでそれはそれで正しいのだろうけど、歴史的背景は抜きにして、1枚の画をパッと見て、良いなと思ったとき、その良さをどう説明するのか。それをやって他の人といかに被らないか。別に絵に限らないです。彫刻だって、音楽だって、ダンスだって、作品として目に触れるもの、耳に触れるものであればなんでも良い。それを、他の人が「なるほどそれ面白いね、そこ気付かなかった」言ってくれたらそれで良いですよね。それは自分が持ってない視点を学ぶ場でもあるし、自分で使えると思えばそれを取り入れれば良いだけの話。ちょっと違った視点で見てみることを意識的にやっていくことが訓練になるんじゃないかな。
――Q:WS現場には、ファシリテーターの他に、コーディネーターも同行することが多いですが、コーディネーターの仕事とは具体的に何でしょうか?
学校現場の状況や生徒の状況、それから学校側の希望とかは、コーディネーターが聞いてきて、整理すべきですよ。学校側とファシリテーター側の両方が求めている事をどういう接点で繋げていくかがコーディネーターの役目で、ファシリテーターの代弁者ではダメ。学校側のニーズとファシリテーター側の考えが直接ぶつかると決裂してしまうこともあるけど、コーディネーターが入ることによって、妥協点を見付ける調整ができれば、それが防げますよね。学校という制度もアーティストの感性も理解していて、双方に意見を言える立場でないといけない。しっかりしたコーディネーターがいて、いくつかの学校で実績を残せば、学校の事をちゃんと理解して繋いでくれるという信頼感が生まれ、教育委員会から安心して依頼されるようになります。
――Q:私たちはファシリテーター養成講座は行っているのですが、コーディネーター養成講座を来年度実施するとしたらどのような演習が考えられますか?
例えば、なにかしらのプログラムを学校に整理や説明するような事を模擬的にやるといいんじゃないかな。ファシリテーターに対しても、学校に対しても、さらには教育委員会などの行政に対しても、理屈の通った説明がどれだけできるかっていう訓練ですね。学校現場をはじめそれぞれの場で、このプログラムは学校現場でこういう学校教育に位置付けられ、こうした効果が期待できますよって言葉が出せればコーディネーターとしての一つの力を身に付けたことになれるわけ。
学校の先生が(ファシリテーター養成講座の)受講者に居れば、学校の教員としてそういう説明を受けたら学校現場は受けられますか?と聞いてみたらどうかな。そのときは、率直な意見を言ってもらわないと絶対ダメだよね。ファシリテーターとして「これ面白いから」ではなくて、一教員としてそういう売り込みがきて判断できる立場だとしたら『他の先生に説明できるかどうか』という観点で意見を言ってもらう。ダイレクトなニーズが聞けて良いですよ。
あとは、子どもたちのどういう情報がWSを行う上で必要なのかということを、子どもの心身両面での安全から理解できるようになるための内容は必要でしょう。
――Q:今後WSを行う団体・ファシリテーターに期待することはありますか?
コミュニケーション能力育成WSの狙いを分かってやれる人が増えて、色んな学校でやってほしい、そこが一番。コミュニケーション教育の考え方は、コミュニケーション教育推進会議審議経過報告「子どもたちのコミュニケーション能力を育むために~「話し合う・創る・表現する」ワークショップへの取組」(2011年8月)をテキストとしてもらうのがいいと思う。
――Q:やはり理解した上で実施して欲しいという事ですね?
そう、形だけ「WSやってます」ではダメ。一体何の為にやるのか、どういう哲学や考え方に基づいてプログラムを作っているのか含めてそれが説明できるような人が増えてほしいですね。
そう言えば、コミュニケーション教育そのものではないんだけど、最近気になっているのは、学校でやっているプレゼンテーションは実社会で活きるのか?ということ。
学校において、プレゼンテーションに代表される「伝える」という行為、つまり発信は、例えていうとニュースのアナウンサーの仕事みたいに捉えられている気がする。情報の伝達を正確にしましょうっていうことだから。でも実社会で情報の伝達を正確にして完結することはほとんどないですよね。伝えて、相手が買ってくれる、何かしてくれて初めて成功じゃないですか。学校ではそこを求められないことが多いんですよ。技術としてパワーポイントで綺麗で分かり易いの作れたりする技術は勿論持ってて良いんだけど、綺麗に出来てそれに合わせて言葉発する事が出来ました、だから満点ですねって事でいいんだろうかは有り得なくて。何で学校はそのことを意識して取り組まないのか本当に不思議ですよ。初めに話が戻るけれど、創作のための話し合いって、グループのメンバーが動いてくれるように伝えないといけない場だから、より有効な活動なのではないかな。
――Q:新しいプログラム開発で言えば、『しまくとぅば』が無くなってきている沖縄の環境の中、私たちが作るプログラムで新たなる道を提示できたらいいなという理想はあるんですが…
八丈島のおじいさん、おばあさんは方言を子や孫の前でほとんど使わなかったけど、学校で方言劇創作のため方言のことを聞いてくるよう状況を作ったら、おじいちゃん、おばあちゃんが喜んで教えてくれて、学校の指導の場にも協力してくれるようになり、家庭でも使うようになったという事例がありますよ。例えば、お芝居の物語を標準語で書いて、方言を使って演じなきゃだめという風にする。発表会の時はおじいさん、おばあさんを学校に呼べばいいわけですよ。こども達が方言に興味をもっていると分かれば、協力してもらえる場が増えてくるでしょ。巻き込もうと思えばどんだけでも巻き込める。伝えたい思いを持っている人はいっぱいいるんだから。学校の中やWS関係者だけで完結させようとしないで、いかに巻き込んでいけるかを考えないといけない。お勉強としてではなく、日常のものとして方言に触れられ、使える場を整えることを意識してほしいね。
――学校で必要なことと、社会で必要なことを結ぶプログラムを作りたいですよね。私はその可能性を(演劇WSに)感じているんです。
いいじゃないですか。同感です。ますますの広がりを期待したいですね。
――インタビューというより、相談会になってしまいました。すみません(笑)やっぱり観察、判断能力に関しては、何度も演習を繰り返すしかないと思いました。
講座だけじゃなくて、演習・実地研修は良いと思いますよ。特に、そうしたことに長けた方を招いてやってほしいですね。
――『ファシリテーター養成講座』の受講者に、実地研修で生徒との向き合い方など体験して貰って、来年以降は、WS講座の初級編・中級編の講座を設けながら、プログラム開発に望みたいと思います。その為には、私たちはもう少しグレードアップしたコメント力を鍛えておかないといけませんね(笑)貴重なお時間を頂き、ありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました。